支援法とは


「支援法」の目的と成立の経緯


被災者の不安解消と生活支援≫


この法律は、2011311日の東北大震災により発生した福島第一原発の事故の被災者、特に子どもに配慮して行う生活支援などに関する施策の基本事項を定めています。

被災者の生活支援等の施策を進め、被災者の不安の解消や安定した生活の実現に寄与することを目的としています。



党派を超えた議員立法≫


様々な党の議員たちがこの法律を提案し、与党、野党を問わず全ての政党が一致しての「全会派一致」で成立しました。政府が立案作成したものではなく、選挙で選ばれた議員が作った法律=議員立法です。2012年6月21日衆議院本会議で可決成立し、6月27日から施行されました。


法律の内容


被災者の自己決定を尊重≫


居住地域が「支援対象地域」に指定されると、被災者が、被災地域に残る、避難する、帰還する、そのいずれを選んだ場合にも、被災者に差別が生じないよう、国がその被災者を支援することが定められています。
 
※ただし、支援対象地域は政府による「基本方針」で指定


健康被害の立証責任は国が負う≫


保障対象になる病気やケガについては、それが原発事故の影響かどうかを立証するのは、被災者ではなく国になっています。

被災者が罹った病気やケガが原発事故と無関係だということを国が証明できなければ、医療費が減免されるように定めています。


支援のかなめは生活支援と健康被害の未然防止≫


放射線が子どもの健康に大きく影響すること、影響が長くなる恐れがあることから、子どもや妊婦に対して特別の配慮をし、生活支援を継続的・確実に実施しなければならないとしています。

被災者は、定期的な健康診断の実施をはじめとする健康への影響に関する調査を受けることができます。また、子どもや妊婦については、医療費の減免を受けることができます。


・支援対象地域での生活を選択した場合→医療の確保、子どもの就学援助、食の安全安心の確保、放射線量の低減及び生活上の負担の軽減のための地域における取り組みの支援、自然体験活動などを通じた心身の健康保持に関する支援を受けることができます。


・支援対象地域から避難または帰還を選択した場合→移動の支援、住宅の確保、就業支援、学習支援などの支援を受けることができます。


↑二つのうち、どちらを選んだ場合でも、家族と離れて暮らす子どもに対する支援を受けることができます。



「理念法」を現実に反映するのは被災者の声≫


この法律は「理念法」と呼ばれ、実際に様々な形で行われる具体的支援の基本的なあり方、「支援に関する考え方の根幹」を記したものなので、表現は抽象的です。

支援対象地域の範囲や支援の具体的な内容は、政府の作成する「基本方針」で定めます。「基本方針」の作成にあたっては、原発事故の影響を受けた住民や地域から避難している者の意見を反映させる措置をとること、とされているので、被災者の声を国に届けることが重要になります。


また、基本方針だけでなく、施策の具体的内容に被災者の意見を反映し、施策を作る過程を透明にするために必要な措置を取ることも定められています。




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